写真を選ぶ

今回の写真展のテーマは以前より「光と闇」といったものに決めていました。
一言で「光」といっても実際の光や、例えば戦後からの復旧といった感じの
抽象的な光もあるかも知れません。後者の方は写真そのものだけでなく、
そこにある背景まで含めたものが一つの作品となりますが、
今回は背景や場所など関係なく、前者の目に見える光を意識しました。
展示数は20枚から40枚ほどと考えていましたが、そのためにまずその倍以上の
写真を選びました。そこから全体のバランスなどを考えて、段階的に絞っていきました。
「光と闇」といっても様々な被写体があります。
今回の写真展では例えばA、B、Cと大体3つのタイプの写真を使うことにしました。
最初はその中のAタイプのものだけで構成しようと考えていました。
そちらの方が統一感があるかも知れません。
ですが自分の中でストーリーを意識したとき、BとCも必要だと思いました。
しかもメインのAよりもBとC(を合計した枚数)の方が数が多くなる可能性もあります。
ですがBとCを入れた方がより自分の視線に近くストーリー性があるような気がしました。
そしてもう一つ、写真一枚一枚の中にある時間の流れを意識しました。
今回の写真展では、静寂さを意識したので、その時の流れや動きを
感じさせないものを選びました。
その結果、テーマ的にはあっており、かつ自分でも気に入っている写真が
何枚か候補から外れました。
写真だけでなくギャラリーや写真展そのものが一つの作品と意識するならば
その写真選びも非常に重要な作業だと思います。