ポスター

Ensemble1623, Leitung / Countertenor Hiroya Aoki, Orgel Eri Takeguchi, Saarbruecken, Johanneskirche

先日載せましたが、ザールブリュッケンでコンサートを行う日本の合唱団のポスターを作らせていただきました。

ところで今回のことではなく私の場合の一般的なことですが、ポスターやチラシを制作する場合、納期などにもよりますが大体3度から5度ほど打ち合わせをして、方向性を絞っていくことが多いです。業者によっては最初に2案もしくは3案出して、そこから選んで完成ということもありますが、自分の場合は単なる告知というより内容を意識した告知が出来ればと意識しています。

また最近思うのは発想、表現の自由度を高めるためにイラストレーター系を意識した方が良いということ。私はフォトショップ系で写真ありきで考えますが、必ずしも写真がメインであるわけではないので、そんなことを思った次第です。そこからフォトアートではない、アートというものも生まれてくるかもしれません。以下のデザインは今回のポスター最終案一つ前の没案です。ここでは背景を変えただけなので調整していませんが、背景が変わるだけでも大きく印象が変わります。個人的にはシンプルでありたいということと、シンプルな中に装飾があってほしいという一見すると矛盾した考えがあります。例えるならば古代ギリシャの柱の建築様式で、ドーリア式、イオニア式、コリント式とありますが、ドーリア式とコリント式の複合といった感じでしょうか。そして作品展示でも同じですが、まず誰の目を意識するかが重要だと思われます。

上の没案ですが、Ensemble 1623を音符を使って描こうと思いました。最初は綺麗に音符を一つずつ並べていましたが、少し離れて見ると、音符の模様が分かりすぎてカクカクした文字に見えます。そこで音符を一杯並べた棒にして、それを配置したり曲げたりしました。近くで見ると綺麗ではないですが、遠くから見るとそちらの方が分かりやすいです。そしてその棒らしさを意識して、重なる部分はあえて重ねました。最終案の手直ししたものが先日も載せた以下のものです。開催時期の季節の色を背景にしてシンプルになりました。遠くから見て音楽のイベントと直ぐにわかることが大切なので、このシンプルな案が一番良いと感じました。