ミュージカルを観に

ザールラント州立劇場に行きました。ミシェル・ルグラン作曲「Marguerite」で、ドイツ初演です。劇場にあるポスター。第二次世界大戦のドイツ占領下のフランスの話です。

開演前の劇場。

午後10時半過ぎ。終演後の街の様子。まだ人はいます。

クリスマスマルクトは終わっています。

今回のミュージカルは、「ミュージカル」という響きから派手なものを想像していましたが、話は暗く、舞台もほぼ真っ黒で、照明などの変化も少なく、見た目的に非常に単調な舞台でした。

ところでオペラの演出で時々、観客席の通路で合唱が歌ったり、オーケストラの人が演奏することがあります。演出上のためですが個人的にはあまり好きではありません。今日のミュージカルでもそうでした。合唱の人たちが観客席に突然入ってきて歌うのですが、大体はその前に、ドアがすぐに開けられるか、外側から確認しているのが聞こえます。

なので本番中、後ろのいくつものドアからカチカチと音がしてきます。その音が邪魔で舞台に集中できず、振り返る観客もいます。そしてどこかのタイミングで入ってきて、通路に立って歌います。今日のは何か小道具を手にして、それを舞台に見せるような演出になっていました。客席からは合唱の後ろ姿しか見えません。つまり舞台にいる人に見せるための演出であって、観客のためのものではありません。そして出入りする時もオーケストラの演奏は続き、舞台上も話が進んでいます。客席によっては移動する合唱の人たちで前が見えません。言い換えれば映画館で映画の上演中に、突然、数十人の人たちが入ってきて、スクリーンに向かって何かを発する、それが終わればそのまま出ていくといった感じです。

この観客のためではなく舞台上の人たちのための演出は、個人的には好みではありません。カーテンコールは盛り上がっているのか盛り上がっていないのか、煮え切らないような拍手でした。一部の人は大きな拍手をしています。カーテンコールではその前に「退屈だった」と話しながら出ていく人たちもいたので、人によっては面白くなかったと感じたようでした。全体的に暗い印象だったので、私も後味がすっきりしない印象です。演出的に舞台上に惹きつけられることがなかったので、何かもやもやとした感覚が残っています。