ここ最近、最高気温は12度前後、最低気温は4度前後で
少し肌寒い日が続いています。
それにしても本当に天候が良く変わります。
一日のうちで雲一つ無い快晴から雹や集中した雨まで
何度も変わります。
週間天気予報を見てもまだ暫くこの天候が続くようです。
灰色の重い雲が空を覆っていましたが
突然晴れ間が出てきました。
床にカーテンの模様が描かれました。

月別: 2012年4月
フェネトランジュ 3
フェネトランジュ その2」の続きです。
ひっそりとした街の中心に教会が見えました。

昔はこの道を馬車が通っていたのかもしれません。
村と言った方がよいような小さな街なので、
例えば教会での結婚式なども
街を挙げてのものだったと思います。
大勢の人が沿道で手を振り、歓声を上げる姿が目に浮かぶようです。

教会の塔は街の中で頭一つ飛び出て存在感がありますが、
それだけ教会の力が大きかっただけでなく
逆に見えないと困ると感じた人も少なくなったかもしれません。
ちょうど鐘の音が聞こえました。
鐘の音が鳴る度に何かが軋むような音が聞こえます。
遠くまで響かせるために大きな音が鳴っていると思いますが
教会の鐘は時報の役目も果たしていることを意識すると
それだけ生活には無ければならないものかもしれません。
もしかすると教会がなければ生きていけない人もいたかもしれません。
ここの街に住む人にとって教会や宗教は
その人の人生の一部になっていたかもしれません。

教会正面に来るとより存在感があります。

礼拝堂の中に入るとひんやりとした空気があり
独特の音の響きがありました。

誰もいない教会でしたが明かりが点いています。
祈りで訪れる人がいるのでしょうか。

窓から差し込む光が綺麗です。

側廊の石の床がなお冷たさを感じさせるものになっています。

誰も人がいないにもかかわらず
内陣では何故か人がいるような感覚を覚えました。

きっとこの教会には多くの人が集まっていたのでしょう。
祈りのミサだけでなく、例えば結婚式など。
床の石は長年その上を人が歩いたからか
すり減ってくぼんでいました。
人が見えない場所にもかかわらず人が感じられる場所です。


教会の直ぐ側にあった細い路地。
教会へ通う人のために設けられたものかもしれません。

訪れた時は人の気配がほとんど感じられない街でしたが
それでも友人とひそひそ話のような話し方になったのは
無意識に人の気配を感じていたのかもしれません。
そういった感じ方はこれまでありませんでした。
それがフェネトランジュという街ならではの雰囲気か
それとも時間帯や天候による偶然か分かりませんが
独特な街の雰囲気を感じられたのは良かったです。
友人にも感謝!です。
一時雨
今日の天気予報は雨となっていましたが
実際は短時間、雨が降っただけで
晴れ間の時間の方が長い一日でした。

夏時間になってから街中にも花が飾られ始めました。
空が暗くてもこういった花を目にすると
気持ちも明るくなりますね。

ザールバーンが走っていきましたが
どうやら動物園の宣伝になっているようです。
以前は車体に何も描かれていなくて
個人的にはそちらの方が
統一感もあり街の景観にはあっていると思っていましたが
車体に描かれた様々な宣伝を目にすると
それは今の時代にあっているような気もします。
言い換えれば、街も生きているといった感じでしょうか。

まだ最低気温が氷点下になる日もあります。
雨の日はより寒く感じられますが
それでも目にする街の雰囲気は
既に春を迎えているような気がします。
車の上の木々
まだ桜が
「パルジファル」
のみの市で
友人から電話がかかってきました。
のみの市でオールドカメラを購入したと言うこと。
まだその開催場所にいるとのことで、私もそこに向かいました。
街中から直ぐの所です。
友人と合流して、幾つかのお店を覗きました。
個人的には特に目当てのものがあったわけではありませんが
何気に覗いたところにカメラがありました。
蛇腹のカメラです。
インテリアに良いかもしれません。
お店の女性が言うには完全に動作すると言うこと。
確かに問題なくシャッターも切れます。
ただよく見てみると蛇腹に一カ所、穴が開いています。
そして絞りも閉じたままです。
25ユーロと言うことでした。
穴が開いていることを伝え、
どうしようか考えていると
10ユーロでいいわよ、ということで
思わず買ってしまいました。
(「買ってしまいました」と言うのはカメラに対して
失礼な気がしますが・・・。)
同時に友人もこの日、2台目のカメラを購入(旧東ドイツ製と旧ロシア製)。
私が購入したのはドイツのツァイス・イコン社のイコンタというカメラ。
以下、アートフィルターのファンタジックフォーカスで撮影したものを。
カメラ上面と正面。

裏面。「ZEISS IKON」の文字が見えます。

開いたところ。
シャッターを切ってみると、カッチッと金属的な音がします。

横側には「Made in Germany」の文字が見えます。

これがいつ頃、製造されたものかネットで調べながら
清掃していました。

オリンパス・ペンとの比較。
それほど大きくありません。

このカメラはドイツ製ツァイス・イコン、イコンタ 521(Zeiss Ikon Ikonta 521)で
レンズは Novar Anastigmat 1 : 3,5 = 7,5 cm が付いています。
6×9フォーマット。
ドイツのサイトなどを調べていると1940年頃に製造されたもののようです。
清掃しながらシャッターを切ったりしていると
絞り羽根も動くようになりました。
いつか撮影もしてみたいです。
のみの市で売っていた方は業者ではなく個人のようだったので
もしかするとその家族や近い人が持っていたものかもしれません。
蛇腹の穴が開いているところは指が当たる場所です。
何度も使用して穴が開いたのでしょう。
このカメラで色々な思い出を撮っていたのかもしれません。
カメラは撮影するための一つの道具ですが
それでもそこに人の想いがあるような気がします。
ドンロン・ダンス・カンパニー10周年
ザールラント州立バレエのドンロン・ダンス・カンパニーが
10周年を迎え、それを記念した公演が行われました。
公演は12回予定されており、今日がその初日です。
会場であるアルテ・フォイアーバッヘ劇場の左側には
バレエ10周年を意味する「10」という人文字の看板が見えます。

演目は過去10年間に上演された演目からシーンを選んでのものでしたが
通して観てみると様々なアイデアが出ていたのが分かります。
劇場の入り口は小さいです。
この日はチケット完売でしたが
この入り口での雰囲気を見ると
そのようには感じられません。

この日の公演は一般的なバレエの公演よりも
観客の年齢層が随分高いように感じられました。
現在の劇場総支配人や前支配人の姿もあり、
バレエファンが集まったというより
関係者が集まったといった印象でしょうか。
それでもかなり盛り上がる公演となりました。
劇場内の空気が少し薄く感じられるほどです。
現時点で残りの11公演も全て完売になっていますが
それだけここのバレエは人気があると言うことでしょうか。
可能ならばもう一度観てみたいです。
フェネトランジュ 2
フェネトランジュ」の続きです。
ひっそりとした街を更に歩きました。
こういった光景では生活感のようなものが感じられますが
人の気配が全く感じられません。

時が止まった建物のようです。
しかしそれが違和感なく街並みに溶け込んでいます。

苔の生えた小さな石のベンチが印象的です。
腰掛ける場所と言うより花を飾るための場所かもしれません。

猫、発見!
この街では猫を何匹か見かけました。

窓にあるそれぞれの形が面白いです。
こういった所に人の遊び心が感じられますね。

そういえば窓が閉まっている家が多いように感じました。
ここは地下への入り口もあります。
子供たちの遊び場になりそうです。

目の覚めるような色が印象的です。

この辺りの建物を見ていると
1800年代の建物が多いようでした。
幾つかの建物には年号がありました。

細い路地を見つけました。

右の2軒の階段や入り口を見ていると
違う時代に作られたのでしょうか。

ここにもハートが。

こういったものを目にすると心和む気がしますが
人の姿が全く見えないと
何処か不思議な世界に迷い込んだような感覚を覚えます。

フェネトランジュ
友人と訪れたフランス・ロレーヌ地方、フェネトランジュの写真です。
滞在時間は僅かでしたが、それでも十分に回れるほどに小さな街でした。
レンズは数本持っていましたが、この日は広角レンズでスクエアフォーマットを意識しました。
言ってみれば普段撮る写真の左右がないだけですが
広角レンズで撮る場合は、構図をしっかり考えないと
変に伸びた写真になってしまいます。
その効果を狙って撮影するのも面白いと思いますが
今回は真っ直ぐ捉えることを意識しました。
他の街への方向が示してあり、
言ってみればここは街の玄関口といった場所でしょうか。
この道は街と街を結ぶ国道のようなものかもしれません。
その間にあるフェネトランジュは小さな中継点となっているようで
現在はその街を訪れる人のために
ツーリストインフォメーションもあるようです。
そういえばこの街の中心部では信号を見かけませんでした。

このアーチをくぐると旧市街地になります。

旧市街地にはこういった細い路地が幾つもありました。

とりあえずツーリストインフォメーションのあるところに向かいました。
重厚な城郭の中にあるようです。

夕方なので既に閉まっていましたが
この周囲、人のいる気配が全くありません。
大きな建物の中もひっそりとしています。
まるで休日の小学校といった感じです。

街中心の大通り。
ここもひっそりしています。

角度を変えて。
古い建物がそのまま残っています。
そういえば旧市街地では石畳をあまり見かけませんでした。
おそらく昔は土のままで、近代になって舗装されたのでしょう。

旧市街地の反対側の入り口。
奥が街の中心方向です。
ここは道幅が急に狭くなっているので
おそらく昔は門があったと思います。
道路上にある白の三角印は車のためにあるものだと思います。

道路が曲線を描いていましたが
もしかするとここはかつての城壁的な場所だったのかもしれません。

この街の風景は車が写っていなければ
いつの時代の写真か分からないものが多いように思います。

この街では人の気配がほとんど感じられず
自分たちしか存在していないように感じられる空間でした。
それにもかかわらず声を出すのも憚れるような雰囲気があり
いつしか友人とはヒソヒソと小声で話すようになっていました。




