コンサートの背景写真

先日も書きましたが生演奏の背景に写真を映します。
歌詞を意識した写真を選びました。
今回のコンサートは大きく分けて3つの作品を演奏します。
・ハイドンの2曲はそれぞれ独立した作品なので、写真もそれぞれの
曲に合わせて選んでいます。
・シューマン作曲「リーダークライス op.24」は連作歌曲なので、
統一したテーマがあり、曲の世界が繋がっています。
ですので写真もそれを意識し、一つの季節でまとめてみました。
・シューマン作曲「6つのレーナウの詩による歌曲とレクイエム op.90」は
それぞれの作品が直接繋がっている訳ではなく、バラバラなので
こちらは季節なども違っています。しかし全体で一つのテーマを意識しました。

ソノリウムでのコンサート

写真の選別には想像した以上の時間がかかりました。
まず最初に歌詞や歌の雰囲気に合っていると感じたものを
以前撮った写真の中から大まかに選んでいきました。
また自分の中でイメージを作り、
それにあった写真を撮りに行くこともありました。
その後、例えば連作歌曲のように物語性を意識して
写真を選んでいきます。
ただそこには無限に近い組み合わせがあり悩みましたが
ここである程度の流れを考えました。
しかし選んだ写真が必ずしも映像的に使えるとは限らない、
そのことに気が付きました。
というのは映像の縦横比があるからです。
(準備後半にもアスペクト比の変更をしました)
これによって使えない写真が何枚もあり
何度も何度も写真を差し替えましたが、
そうすることによって既に選んでいた他の写真も
考え直す必要が出来てきました。
また17日のゲネプロでプロジェクター独特の写り方などを目にして
そして実際に音楽と合わせてみて更に一部の写真を差し替えることにしました。
渋い写真は明るい写真に比べてはっきり映らないと感じたからです。
しかし結果的に見れば、そういった作業が自分の中で一つの世界を作るのに
多いに役立ったと思います。そのために何度も音楽を聴き、
作品に対する理解が深まったと思います。
そのようにして写真を選びましたが、
出来ることは全てやったという気持ちがあります。
同時に実際に本番で音楽と写真が一つの世界を作り出すのが
本当に楽しみになってきました。
コンサートを耳だけでなく目でも楽しんでいただければ、と思います。

ソノリウムでのゲネプロ

※ 最下部に追記です。
コンサートの10日前、東京の

ソノリウムでコンサートのゲネプロがありました。
本番前の最後の通し稽古です。「最後の」といっても今回が初めてなので
最初で最後の合わせです(前日と当日にはピアノ調律や簡単な合わせを行いますが
全体を通しての練習は最初で最後です)。
音楽家の方たちは、今回の東京公演の前に盛岡での公演もあり
これまで何度も練習されているので
この日はプロジェクターを使って本番の予行練習といった感じでした。
今回のコンサートは生演奏の背景にプロジェクターで写真を映します。
ただ背景の絵が動画のように映像で流れていると、その場にいる人は
絵に集中して音楽に意識が行かなくなる可能性があります。
ですので、それぞれ一曲ごと、歌詞にあった写真を一枚映すというのが
基本となっています。
そしてその写真を初めて音楽に合わせるゲネプロがホールでありました。
ソノリウムの建物は、見落としてしまいそうな場所でした。
白が印象的です。

ソノリウム

入り口です。建物の外観だけでなく中も白で清潔感があります。

ソノリウム

その真正面にはお寺、大圓寺(大円寺、だいえんじ)があります。
それがホールを見つける際の目印になると思います。

ソノリウム

練習休憩時にお寺を訪れてみました。
梅が綺麗に咲いています。

ソノリウム

梅を背景に写真を撮る、今回の歌手のラファエル・ファヴルくん。

ソノリウム

お寺の前で。ピアニストの外川千帆さん。

ソノリウム

音楽家の方たちは響き方の確認などを行っていましたが
ホールに関して二人とも音が良いと称賛しています。
無理して声を出す必要などもないのでリラックスして歌えるとのこと。
それから私自身、実際に音楽と写真のある空間を目にして
普通のコンサートとは違う印象を得ました。
出演者一同、その写真付きコンサートにたいして
少し興奮に似たものを覚えています。
良い響きの中での写真付きコンサート、
コンサート当日が本当に楽しみです。
皆様のご来場、お待ちしております。
練習中です。
舞台と客席の高さが同じなので
ホール全体が一つとなった一体感のある空間を楽しむことが出来ます。

ソノリウム

ピアニストの外川千帆さんのホームページでもコンサートの

ゲネプロの記事があります。
こちらもどうぞご覧ください。
<< 追記 >>
マチネ公演のチケットは完売いたしました(当日券もございません)
どうもありがとうございます。
ソワレ公演の方は席に余裕があり、当日券も発売を予定しております。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

あと一ヶ月

東京

ソノリウムでのコンサートまで約1ヶ月です。
準備の方は大体進んでいると言ったところでしょうか。
ただ写真はまだ全てを決定していない状態です。
今回のコンサート、主役は当然、歌なので
背景に映す写真は少なめです。
写真が動いているとホールにいる人は
歌を聴くよりも写真を見ることに集中してしまうかも知れません。
ですので、基本は一曲一枚を意識し、
ときには複数枚使うという予定です。
そのそれぞれの曲にあった一枚を選ぶのが難しいです。
歌詞を意識して選んでいきますが、
私としては写真にも一つのテーマを設けて
歌のようなストーリー性を作りたいと考えています。
簡単ではありませんが、こういった作業は楽しく、
そこには色々な世界があります。
そしてそこから様々な可能性が広がっていく気もします。
あと1ヶ月、コンサートに向けて頑張りたいと思います。

ミュンヘン

初打ち合わせ

来年2月27日(日)の

コンサートの打ち合わせです。
ピアニストの方がドイツより日本に戻ってこられました。
打ち合わせと言っても、写真に関しては全て任せていただいているので、
大体どういったコンセプトがあるか、それの説明でした。
レストランでの簡単な打ち合わせ後、古本屋街を歩きました。

冬の景色

そういえば今回のコンサートに関して

フジテレビ アートネット「Classic Concertに行こう!」
に公演情報を掲載していただきました!
ところで今回帰ってきて気が付いたのは「明るさ」です。
ドイツでiPhoneの画面の明るさをちょうど良いように調整していましたが
そのまま日本で見ると非常に暗く感じました。
結局明るさを調整しましたが、他にも同じ意見を聞いたので
日本とドイツでは明るさが違っているのかも知れません。
緯度などにもよるのでしょうか。

新しい催しが決まりました

新しい催しが決まりました。
東京の

ソノリウムという室内楽ホールで
音楽と映像(写真)のコラボレーションです。
ドイツ歌曲を生演奏しながらプロジェクターを使って
舞台背景に写真を映します。
過去の例がホールのホームページに

紹介されていました。
音楽と写真で一つの作品を作ること、
以前から非常に興味がありました。
歌詞があるので、かえって写真の選別が難しそうですが
非常に楽しみでもあります。
お時間のある方は是非聴いていただけると嬉しいです。
皆様のご来場をお待ちしております。
コンサート当日は私も会場にいる予定です。
チラシなど詳しくは

別記事で。

Sonorium共催シリーズ2011「映像と音楽」

Sonorium共催シリーズ2011「映像と音楽」

http://www.sonorium.jp/index.html
ラファエル・ファヴル、外川千帆
リートデュオ・リサイタル
東京公演・歌曲の響vol.3‐写真家・山本英人氏と共に
2011年2月27日(日)
マチネ公演 13時30分開場、14時開演
ソワレ公演 18時開場、18時30分開演
入場料金 4,000円
<プログラム>
ハイドン作曲「さすらい人」「彼女は決して愛を語らず」
シューマン作曲「リーダークライス op.24」「6つのレーナウの詩による歌曲とレクイエム op.90」
後援 スイス大使館
チケット取り扱い: カノン工房 Tel : 03-5917-4355 (平日10-17時)

http://www.atelier-canon.jp
歌い手とピアニストのアンサンブルが重視される第6回国際「フランツ・シューベルトと現代音楽」コンクール(オーストリア/グラーツ)で第3位(2004年)、19世紀ドイツ・ロマン派リートを代表するフーゴ・ヴォルフの名を冠した「フーゴ・ヴォルフ・アカデミー国際歌曲音楽コンクール」(ドイツ/シュツットガルト)で第3位(2007年)を受賞し、2008年には「ルードヴィヒスブルク音楽祭」や「バート・ヴェリスホーフェン音楽祭」に出演。NHK、そしてORF(オーストリア国営放送)やRSR(ラジオ・スイス・ロマンド)では、リーダーアーベントが生放送され、本場ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地で注目を集める若き実力派リートデュオによる、東京初のリサイタルです。
テノール/ラファエル・ファブル
ピアノ/外川千帆
写真/山本英人
会場/ソノリウム Tel: 03-6768-3000

http://www.sonorium.jp/index.html
168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 FAX 03-6768-3083
京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分
東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分
※駐車場のご用意がございませんので、お車でのご来場はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Sonorium共催シリーズ2011「映像と音楽」

ドイツへ帰国

約一ヶ月の日本滞在が終わり、ドイツへ帰国しました。

ドイツから日本へ飛ぶときは地元ザールブリュッケンからルクスエアーで
ミュンヘンを経由して、そこからルフトハンザで成田へ飛びました。
移動や乗り継ぎ時間もこれは非常に便利だったのですが、
帰りはその経路でのチケットが取れず、成田からフランクフルトまで飛び、
そこから電車で帰ることになりました。
成田=フランクフルト間と言えば、今年夏前から就航したエアバスA380。
ドイツを行き来する友人知人などの間でも話題に上る飛行機で、
世界初の総2階建てジェット旅客機です。
以前、何かの記事で特に女性の間で人気があるといったものを目にしたことがありましたが、
果たして空港での搭乗ゲート前では多くの女性が写真を撮っていました。
「格好いい!」と大きな声を上げている人たちや
一緒に写ったり記念撮影をしている人も多かったです。
それにしても他の飛行機と比べるとやはり大きさが感じられます。
ちょうどシンガポール航空のA380も止まっていました。
この日は台風の影響で風が強く、異様な空模様でした。

エアバスA380

離陸時間は午前9時台だったのですが、そのために朝4時台に家を出て
5時台のバスに乗り、7時頃に空港に到着しました。
前日の夜は準備で忙しくほとんど寝られなかったので、
飛行機の中では寝ている時間が多かったです。
ところで機内では各座席にモニターがあり映画やドラマを見ることが出来ますが
私は映画一本見ただけで、それ以外、モニターではずっと
フライト情報を映していました。
フライト情報では目的地までの時間や距離、速度などが表示されています。
テキスト的にはこれは従来と同じですが、映像的には
今どの場所を飛んでいるかやコックピットからの映像など(共にCGですが)
見ていて飽きないものがありました。
例えば絶えずコックピットからの映像と、自分で選択できれば
より見応えがあったかもしれません。
そして何より「カメラ景色」というものが新鮮でした。
これは機体の外に取り付けられた3台のカメラがとらえた映像を流しているもので、
真下の映像、真横の映像、上からの映像とありました。
上からの映像とは垂直尾翼に取り付けられているものですが、
この映像からはまるで映画か何かを見ているような臨場感のようなものが感じられました。
特に離陸や着陸の時に、下に街並みや空港が見えるのが興味深い映像でした。

飛行機のモニター

飛行機は遅れることなく無事、フランクフルト国際空港に到着しましたが
税関で1時間半から2時間足止めされ、
空港を出るまで思った以上に時間がかかってしまいました。
その後、フランクフルトからザールブリュッケンまでの電車は満員電車でした。
まずフランクフルト国際空港駅からマンハイムまでドイツの都市間超特急(ICE)で移動し、
マンハイムからザールブリュッケンまではフランスの超特急(TGV)を利用しましたが
夕方の時間帯で満員電車となり、その中で大きなスーツケースを持っての移動は大変でした。
写真はマンハイム駅です。少し雨が降っています。

マンハイム駅

ドイツの気温は約23度と真夏の日本から来ると少し肌寒く感じます。
無事に帰国しましたが、今回の日本滞在は本当に充実した、
また感謝の連続でした。どうもありがとうございました。

ポスターなど

写真展が終わった後、ポルタさんの方から
個展に使ったポスターを譲り受けました。
よく見てみると大きさは2種類ありました。
地下街ポルタへ降りる階段やレストラン街の場所に大きなものが貼られていたようです。
大きな方は長辺が1メートル以上ある大きなもので、
ここまで大きなものを作って展示して頂いたことに感謝です。
中央右にあるのがA4サイズのチラシです。

写真展の案内

写真展終了の翌日

昨日、写真展が終わりました。
あっと言う間に終わったという感じです。
皆様からいただいたお手紙やメールも嬉しかったです。
どうもありがとうございました。
今日は所用でポルタに出かけました。
久しぶりにジーンズを履いて外出しました。
個展期間中は毎日スーツを着ていました(上を着ていない日もありましたが)。
会場に足を運んでくださる方々に対してはもちろんのこと、
作品に対しても失礼のないように意識しました。
また開催中、私は基本はずっとギャラリーにいて外の様子が分からなかったのですが
日中は本当に暑いです。直ぐに汗もかきます。
そんな暑い中、会場に足を運んでくださったと思うと、
改めて感謝の気持ちがわき起こります。
本当にどうもありがとうございました。

アンケートの結果

今回の写真展にご来場くださった皆様、本当にどうもありがとうございました。
以前も書きましたが、今回の写真展ではアンケートを採らせていただきました。
単純に「気に入ったものに○をしてください」といったものですが
多くの方々にご回答いただけて本当に嬉しかったです。
今後の作品作りや展示をする際の参考にさせていただきます。
ご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。

アンケート

最も○が多かったのはチラシで使用した写真
「大聖堂、暗さの中に光を求めて」(フランス・ストラスブール)で
数票差で三千院を写した
「優しさより柔らかく」(日本・京都)、
更に数票差で五十鈴川を写した
「せせらぎ」(日本・三重)と続きました。
やはり馴染みのある風景に○が多かったです。
そして
「早朝の透き通る静寂」(ドイツ・カッセル)
「雨の日の小径」(ドイツ・トリアー)
「階下に届く地上の光」(ドイツ・レーゲンスブルク)
「浮かぶフレスコ画」(ドイツ・シュパイアー)
「木漏れ日のある秋の卓球台」(ドイツ・ザールブリュッケン)
がほぼ同数でした。
これらの画像はネットの投稿サイトにも投稿していましたが
どちらかと言えば閲覧数の少ない写真だったので
今回の写真展で多くの方に○を付けていただいたのは
驚きとともに嬉しいことでした。
ネットと印刷物の両方をご覧いただいた方からは
やはりネットではモニターによって見え方が違っているので
作者の意図が伝わりにくいのではないかと言うことでした。
そして大きな出力の方は、見た人の目の前に本当に見える風景のようだ
というご感想をいただきました。
今回のアンケートだけでなく、直接お伺いしたご感想などは人それぞれの
見方があって本当に興味深いものでした。
また写真の面白さも感じました。
例えば同じ風景を誰かと横に並んで撮ったとしても
その人とは身長も違えばカメラの向ける方向(構図)もおそらく違っていると思います。
それ以外にシャッターを切るタイミングも違ってくる可能性もあります。
また目の前にある小さなもの、例えば花を撮るのでも、
自分が5センチ横にずれるだけで見え方が違ってきます。
同じ場所で同じように撮っていても雲の流れや光の強さ、
湿度や風の影響など様々あります。
言い換えれば、一つの風景にそれだけ多くの種類の写真が撮れると言うことで
写真には無限の表現があると言えるかもしれません。
同じものが二つとない、それが写真の面白さかもしれません。
同時に奥が深く、そしてそこに個性を出していくのは本当に難しいことだと思います。
そういったことを来場者の方とお話しできたのは
本当に楽しく嬉しい時間でした。
また今回の写真展では作品それぞれの感想だけでなく
展示方法や会場に関するご感想などもいただくことが出来ました。
そういったことも今後の参考にさせていただきたいと思います。
今は次の個展は決まっておりませんが、今から色々と楽しみです。
ご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。