家を見に行く

窓からの景色

家探しを始める の続きです。
知人からも紹介していただきました。
場所も今住んでいるところから直ぐ近く、広さも今とほぼ同じで
全く問題ありません。
連絡を取ってその部屋を見せていただくことになりました。
8月末の話です。
ところでドイツ、特に旧西ドイツにある街の旧市街地に新築はほとんどありません。
ドイツでは景観を守るために昔に建てられたものの壁を塗り直したり、
床を張り替えたりして長年使っています。
今現在、私が住んでいるところも改築されるということですが、おそらく外壁などは
そのまま昔のものを使うと思われます。
一般的に新築を探すのなら郊外に行かなければなりません。
街が外に拡がっているところでは新築も多く見つかります。
ですが街中では新築はほとんどなく、改装したかどうかで判断します。
ドイツにはアルトバウAltbauという単語とノイバウNeubauという単語があります。
直訳すれば前者が古い建築、後者が新しい建築という意味で
その境目は1949年12月31日までに建てられたものを
一般的にアルトバウと呼びます。
ドイツの街中では、そのアルトバウが人気があります。
古い建物は歴史があります。そして現代の建築に比べて
天井も高いところが多く、壁も分厚いところが多いです。
もちろんアルトバウといっても様々あります。
綺麗に手入れされ、新築のように見えるところ、
逆にほとんど手入れされず、外壁が壊れるままになっているようなところなど。
今回見せていただいた家はそのアルトバウと呼ばれる建物です。
これから一ヶ月くらいかけて改修工事をするということで
床や壁も汚いままです。今後、壁も白く塗り直されます。

家探し

右列上から2枚目、非常に汚い場所ですが、台所がある場所です。
ドイツでは台所を新しい家に持って行くことが多く、
台所は一つの家具と同じように扱われています。
この汚さも改修工事で綺麗になるはずです。
廊下入り口上部が曲線を描いているなど、少し可愛さがある部屋かもしれません。
とりあえず全ての部屋を見せていただき、返事は数日後にすることにしました。
100パーセント満足ではありませんが、大きな不満もなかったので
心の中ではほぼ決まっている状態でした。
全て新しく改修されるということで、新しい部屋の状態で入ることが出来ます。
家の広さも今と同じくらいなので、全く問題ありません。
家に帰ってから大体の見取り図を書いて、何処にどの家具を置くかなど
頭の中で色々考えてみました。
すると、今持っている家具がいくつか入りません。
部屋の数は今住んでいるところより多くなりますが、
家全体の大きさは同じなので、その分、一部屋一部屋は小さくなります。
新しい家のために家具を小さくして、幾つか買い直さなければらないことが分かりました。
それでは引っ越しの意味がないような気がしたので、結局断りを入れました。
場所も良いところなので、直ぐに新しい住民が見つかるでしょう。
家具が入らないこと、それに気付いて、家探しの軌道修正をしました。
家全体の広さもそうですが各部屋の大きさも問題になってきます。
そこでもう一度色々なところで探してみることにしました。