エッシュ村へ 最後に

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ 3

エッシュ村へ 4 の続きです。
ルクセンブルクのエッシュ・シュル・シュールへの撮影旅行は楽しい時間でした。
次回の個展で使えそうな写真も撮れたので個人的には大満足です。
ところでこの日は友人たちと一緒に撮影しましたが、
4人全員がカメラを持っていました。そうなると風景だけでなくお互いを撮ることも多かったです。
例えばAがBを撮り、BがAを撮る。AとBが撮りあっているところをCが撮り、
さらにその光景をDが撮る。そんなこともありました。
あとで全員が撮った写真を見比べてみると、上のような光景が何枚もありました。
写真それぞれは平面的ですが、それぞれのカメラの目線をあわせると、
非常に立体的な印象となりました。
そういったことも含めて非常に楽しい旅でした。
友人には本当に感謝です。
ズームレンズは便利なだけでなく色々と遊べるので楽しいです。

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

おーい!

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

これでエッシュ・シュル・シュールへの撮影日記は終わりです。
ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。

エッシュ村へ 4

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ 3 の続きです。
砦のある丘を降りて街中を散策しました。
麓にある教会のステンドグラスには、マリア像とこの街の風景が描かれています。
そういったところからも街のマリア信仰が伺えます。

エッシュ・シュル・シュール

家々の玄関や窓も綺麗な花で飾られています。

エッシュ・シュル・シュール

古びた自転車も花で飾られており、古さを利用した街並みと言えるかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

ところで街中を散策していると、前を歩いている金髪の女性、小さな犬を連れていましたが
通りのポストのようなところから何かを取り出しています。
その場所を通り過ぎる時にそれに目を向けると
それは犬用のゴミ袋でした。こういったものが街中に設置されていること、
それだけ環境や景観などへの意識が高いのかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

レストランの壁に長い影が伸びています。
そろそろエッシュ・シュル・シュールを後にすることにしました。

エッシュ・シュル・シュール

その後、街を一望出来るような場所を求めて移動しました。
カーナビにそれらしき場所があるのが分かります。
途中で少し迷子になりましたが、その時、別の風景を見ることが出来ました。
長くなりそうなので「続き」で、どうぞ。

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エッシュ村へ 3

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2 の続きです。
円柱の塔を見た後、一度街に降りてから反対側の砦に登りました。
調べてみると中世、927年頃に建設されたようです。
エッシュ・シュル・シュールの街そのものの歴史も古く、
773年には歴史に登場しているとあります。

エッシュ・シュル・シュール

砦の入り口までやってきました。
今も残る城門には紋章が付いています。
この砦が現役だった頃は、多くの人がこの門をくぐったことでしょう。
その際、この紋章は彼らの誇りであったかもしれません。
そういったことを考えながら砦跡を歩きました。

エッシュ・シュル・シュール

小高い丘の上に立つ砦の跡は思った以上に大きな遺跡です。

エッシュ・シュル・シュール

その中に教会がありました。中には入れませんでしたが、
ここで多くの人が祈ったことを意識すると、目には見えない時の流れや
言葉では簡単に説明できない感情がわき起こってきます。

エッシュ・シュル・シュール

城壁をよく見ると単に石を積んだだけのようにも見えます。
1000年以上前のものが目の前にあるのは、何処か不思議な感覚を覚えます。
現在の視点で見るとそこは過去の遺跡でしかありませんが、
当時はここを多くの人が歩いたのでしょうか。
ここには、目に見えない、人々の様々な感情があるような気がしました。

エッシュ・シュル・シュール

空を見上げるとそれまで空を覆っていた灰色の雲は姿を消し、
澄んだ青空が拡がっています。

エッシュ・シュル・シュール

歴史ある砦を後にして、丘を降りて街に戻ることにしました。

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ の続きです。
美味しい食事の後、街中を散策することにしました。
小さな村なので一周するのに時間もかからないようです。
まず昼食を食べたレストランの横にある、山へ登る階段、
そこを登ってみることにしました。
この日は望遠レンズ、広角レンズも持って行きましたが
使ったのは標準ズームレンズ一本だけでした。
35mm判換算で28-108mmのレンズです。
暫く階段を登って振り返るとエッシュ・シュル・シュールの街並みが見えました。
午前中に雨が降ったようなので少し落ち着いた、しっとりとした風景となっています。

エッシュ・シュル・シュール

更に登っていくとマリア像が山の上に立っているのが見えます。
この街の守護神であり、街のシンボルにもなっているようです。
写真は別の角度から階段とマリア像を撮ったもの。

エッシュ・シュル・シュール

階段を登り切ったところ、マリア像の後方は少し開けた場所になっており、
ここからは登るのもそれほど苦ではありません。

エッシュ・シュル・シュール

マリア像の直ぐ側まで来ました。

エッシュ・シュル・シュール

マリア像が立つ台座の下には燭台があります。
そこを見ると単にシンボルや装飾的なマリア像ではなくて、
信仰の対象になっているのが分かります。
普段からここを参っている街の人がいるのかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

その側からエッシュ・シュル・シュールの街並みが見えました。

エッシュ・シュル・シュール

そしてその側に円柱の塔がありました。
長くなりそうなのでここからは「続き」で、どうぞ。

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エッシュ村へ

友人たちと撮影に行きました。
場所は私が以前から希望していたルクセンブルクのエッシュ・シュル・シュール Esch-sur-Sûre 。
シュール川の側にあるエッシュ村で人口は僅か280人。
シュール川がUの字型に曲がりくねっているその内側に街があります。
友人に連れて行ってもらいました。感謝!
ザールブリュッケンがあるザールラント州はドイツ西南に位置し、
隣がルクセンブルク公国となっています。
EUになってからはコントロールもなく国境を越えられるようになりました。
希にコントロールがあるそうですが私は一度もあったことがありません。
出発したときは晴れていたのですが、ルクセンブルクに入ると途中で雨が降ったり、
曇り空が拡がっていました。

ルクセンブルク

上の写真は夕方に撮影したものですが、
ルクセンブルクではのどかな風景が拡がっていました。
ところで目的地のエッシュ村は山の中にある街ですが、そののどかな風景の何処に
山があるのか近くまで来ても全く分かりません。
カーナビによると目的地は直ぐそこです。
するとカーブのある下り坂になり、岩山の上に立つ砦が見えてきました。
どうやらそこが目的地エッシュ村のようです。
車では約2時間弱ほどの距離でした。
山の底にあるここだけ、これまでとは雰囲気が違っており
秘境のような空間に足を踏み入れたような感覚がありました。

エッシュ・シュル・シュール

お昼前にザールブリュッケンを出発したので、まずそこで昼食を取ることにしました。
ここは観光地だからか、観光客の姿が多く、僅か280人の村とは思えないような
雰囲気がありました。ただレストランの数は少なかったように思います。
ところでザールブリュッケンでも日本に比べると時間の進み方が遅いと感じますが
ここではさらに時間の進み方が違っていました。
非常にのんびりとしています。
注文した料理が出てくるまで約1時間近くかかりました。
周りの人たちもそれでも問題なく席について先に注文した飲み物を飲みながら
会話を楽しんでいます。
その場所その場所で、それぞれの時間があるのは面白いです。
そしてそのときの流れに身を置いていると、それがのんびりとしたものではなくて
その場所ならでのは時間の進み方だと感じられます。
結局、レストランには2時間以上いることになりました。
美味しい食事の後、街中を歩きました。

TGV

ドイツ版新幹線であるICE(都市間超特急)は同国内だけでなくフランスも走っています。
逆にフランス版新幹線であるTGVもドイツ国内を走っています。
ドイツ・フランクフルトとフランス・パリを結ぶ路線もその両車両が走る区間です。
停車駅はフランクフルト、マンハイム、カイザースラウテルン、ザールブリュッケン、パリです。
私が住む独仏国境の街ザールブリュッケンはその中間より少しパリ近くに位置します。
ドイツ国内の撮影に行くのにTGVに乗りました。
車体にあるSNCFとは Société Nationale des Chemins de fer Français の略で
フランス国鉄という意味です。

TGV

TGV

TGVの車内(2等車)はそれほど広くありません。
ドイツのICEや日本の新幹線と比べると、随分狭く感じられます。
特に快適さに関しては日本の新幹線とは比べられないものがあります。
TGVは快適さよりもデザインが重視されているのでしょうか。
しかし私が日本人だから新幹線の方が快適と感じているのかもしれません。
フランス人にはフランス人らしい拘りや考え方があるのかもしれません。
新幹線とTGV、どちらが良い悪いという話ではなくて
そこには、それぞれの国や地域性、民族性、伝統があるだけでなく
日本人とフランス人の体格なども違っていると思われるので
そこは日本とは違うところとして楽しみたいと思います。
いつかフランス国内をTGVに乗ってゆったりと旅してみたいです。

TGV

それにしても頭上に重さ30キロ近くあるスーツケースを置くのは少し抵抗があります。
重いものが落ちてきそうな気がします。
足下に置くスペースがないので頭上に置くわけですが
そういったところにも考え方の違いなどがあるようで面白く感じられます。
様々な視点や考え方などを知るということも旅の面白さの一つかもしれません。

アウグスブルクにて

アウグスブルクで、ある電話を待っていました。
待っている電話がかかってくるまで散歩をしていましたが
目の前を通るトラム(路面電車)を見て
ふと流し撮りをしたくなりました。
流し撮りとは特にスピード感を出すために
移動する被写体を追いかけるようにカメラを振りながら撮影することですが
これは上手くいけば気持ちが良い撮影だと思います。
遠くを見るとちょうど良い具合にトラムが走ってきます。

アウグスブルクでの撮影

カメラを絞り優先モードからシャッター速度優先に変更して
トラムが来るのを待ちました。
背景に歴史ある街並みを残したかったので
30分の一秒で撮影しましたが、背景はあまり流れなかったので
もしかすると20分の一秒でも良かったかもしれません。
シャッター速度など、あと2、3度試せれば、ちゃんと撮れたと思いますが
その前に待っている電話がかかってきました。
運転席には2人いるようです。

アウグスブルクでの撮影

あ、車が。

アウグスブルクでの撮影

最後列にビールを飲んでいる人もいます。

アウグスブルクでの撮影

反対側からもトラムが走ってきて通り過ぎていきました。

アウグスブルクでの撮影

その後、アウグスブルクからザールブリュッケンに帰るべく、
ICEに乗って乗換駅であるマンハイムまで行きました。
ところがアナウンスによるとマンハイムからザールブリュッケンへ走る電車は
脱線事故があって全て運休になったということ。
どうすれば良いか分からなかったので、駅のインフォメーションに行って伺うと
バスや近郊電車を乗り継いでザールブリュッケンに向かって欲しいと言うことでした。
そのときに聞いたのでは、農道を走っていたトラクターが道から転げ落ちたところに
ちょうどICEが走ってきてぶつかり、脱線したと言うこと。
幸い大きな事故にはならなかったのですが、
そこを走る電車全てが運休になりました。
ドイツでは在来線も特急なども基本は全て同じ線路を走るので
その途中で走れなくなれば、他の電車にも影響を与えます。
この日はマンハイムとザールブリュッケンを結ぶ全ての
ICE(都市間超特急)、EC(ヨーロッパ特急)、
IC(都市間特急)、RE(地方特急)、RB(地方列車)が運休になりました。
フランクフルトとパリを結ぶICEはザールブリュッケン経由ではなくて
全線フランス・ストラスブール経由になったと言うことでした。
駅や車内のアナウンスに従って移動しました。
近郊電車に2度乗り換えて、また臨時バスを使って
何とか途中のカイザースラウテルンまで到着できました。
そこで半時間ほど待ちましたが、そこからザールブリュッケン行きの
REが出ていたので、それに乗り、日付が変わる前に家に着くことが出来ました。
写真は夜のカイザースラウテルン駅です。

カイザースラウテルン駅

アウグスブルクへ行く

ミュンヘン中央駅でICE(都市間超特急)に飛び乗ってアウグスブルクへ向かいました。
ミュンヘンからは約30分ほどの距離です。
午後1時半頃にアウグスブルク中央駅に到着。
乗降客の数はそれほど多くはありません。

アウグスブルク中央駅

ネオ・ルネサンス様式で建てられたアウグスブルク中央駅は
何処か女性的な佇まいがあります。

アウグスブルク中央駅

アウグスブルクに住んだことはないですが
以前、アウグスブルク市公認の歴史観光ガイドをさせていただいていたので
非常に馴染みがある街です。
今回の撮影はそういったものとは別ですが、
訪れるのを心より楽しみにしていました。
結果的に撮影は無事に済みました。
その後、アウグスブルクの大聖堂に向かいました。
この大聖堂は「大聖堂」という単語の響きから想像するものよりは
規模が小さく感じられ、中も薄暗くひっそりとしていて
非常に心落ち着く場所です。

アウグスブルク大聖堂

ところでアウグスブルクの大聖堂と言えば
現存する世界最古のステンドグラスがあります(1140年頃製作)。
中央身廊の上の方に5枚あり、今でも昔ながらの光を彩っています。

ステンドグラス

それ以外に何枚もステンドグラスがありますが、
次のステンドグラスは大きくて圧巻です。
こちらも古く1340年頃作られたものです。

ステンドグラス

ステンドグラスがそれだけ歴史を持っているということは
大聖堂も古くからあり、またそれを囲むように街もあったということです。
当時の人たちがどのような想いを持って街を歩いていたか
歴史的な建物を見るだけでなく、その当時の人々に思いを馳せると
その石畳がより深いものに感じられます。
そのようにして歴史ある街を歩くとまた違ったものが見えてくるかもしれません。
写真は大聖堂の床にある墓碑の一つ。
おそらく信仰の対象になっていただけでなく、
多くの人がその上を歩いているので丸くなってます。

アウグスブルク大聖堂

ミュンヘンを歩く

ミュンヘン

翌日午前中はフリーだったので、雨が降るミュンヘンの街を歩きました。
以前、この街に9年間ほど住んでいたので第二の故郷といった気がしますが
それでもやはり一度離れると、街が変化しているのがよく分かり
自分が住んでいた当時とは違った街のようにも感じられます。
この日、訪れたかった場所は某教会の地下墓所。
ここは以前もよく訪れていた場所でした。
落ち着いた雰囲気があり、この日も何十分もこの空間にいました。

ミュンヘン

それにしてもミュンヘンは工事中の建物が多いです。
その間も街の景観を壊さないような工夫がなされています。
教会を出た頃には雨も上がり、空には晴れ間も覗いてきました。

ミュンヘン

ミュンヘン

上の建物の裏側

ミュンヘン

ミュンヘン

ミュンヘン

ミュンヘン

絵を描く際にはどの角度から見られるかを意識する必要があります。

ミュンヘン

その後、正午過ぎにミュンヘン中央駅に向かい、そこからちょうどやってきた
ICEに飛び乗ってアウグスブルクへと向かいました。
ミュンヘンからは約30分です。
写真はミュンヘン中央駅です。

ミュンヘン

ストリートでの撮影

撮影の仕事でドイツ・ミュンヘンとアウグスブルクを訪れました。
ザールブリュッケンからはドイツ版新幹線ICE(都市間超特急)に乗って
マンハイム経由でアウグスブルクへは約4時間、
ミュンヘンへはそこから約30分かかります。
写真はマンハイム中央駅に入ってくるICE。

ICE

まずミュンヘンを訪れました。
雨が降っていて気温は20度以下となっており、少し肌寒いです。
街ゆく人も長袖でジャケットなどを着ています。
人々の服装は、赤色もありますが、一見すると黒や灰色など地味目で、
それがなお街を暗く寒い雰囲気にしているような気もします。

ミュンヘン

街中の温度計を見上げると、
その時の街の気温は17度となっています。
右下に東京の時間が表示されています。
ドイツと日本の時差は7時間。ドイツの方が後から追いかけます。
ですが、この時計は止まっているようです。

ミュンヘン

この日の撮影は街中、ストリートでの人物撮影です。
個人的に街中での人物撮影はすごく好きです。
光や背景などを意識したり、街中スナップ撮影のような目線が必要だったり、
様々な偶然もあって撮っていて面白いです。
同時に非常に難しく、奥が深いものだと思います。
そういえば

先日も大阪でよく似た撮影がありました。
しかし先日の大阪と今回のミュンヘンでは同じ街中での撮影といっても撮り方が変わってきます。
例えば大阪の方では、その撮影場所が何処か特定できないような撮り方で、
ミュンヘンでは逆にヨーロッパの何処かの街を感じさせる撮り方になりました。
大阪では背景を消し、ミュンヘンでは背景を入れる。
同じ背景を意識すると言っても撮り方が違っていて面白いです。
また背景を入れる場合は観光的にならないよう意識しました。
そして撮り方が違っていたので使用するレンズも違っていました。
大阪では35mm換算で70-200mmの望遠ズームを中心に使用しましたが
ミュンヘンでは同しく35mm換算で50mmと100mmの単焦点レンズを主に使いました。
撮影許可が必要な場所は予め撮影許可を求めました。
ミュンヘンのこの場所では、とりあえず観光写真的に撮っていました。
またモデルの方の髪型が編んでいて興味深かったのですが
なんと、10秒で出来ると言うこと。本当ですか!
撮影を始める頃には小雨も止み、撮影しやすくなりました。

撮影

街中を移動しての撮影は面白いです。
たいていの場合は街中の何処で撮影するかは予め決めています。
しかしそれぞれの撮影場所での撮影時間は決めていません。
天候やそのときの背景になる絵の状況などによっても変わってきます。
この日は予想以上に風が冷たく寒かったのでカフェに入ったりしました。
またアクセサリーを途中で購入するということがありました。

撮影

以前も書きましたが人物の撮影は光と表情があるので難しく同時に面白いです。
しかし何よりモデルの方とコミュニケーションしながら何かを作っていくのが楽しいです。
短い時間でしたが、何枚か写真を撮ることが出来ました。
このときに撮影したものはいずれ紹介できると思います。
雨が降って寒い中、本当にお疲れ様でした。
そしてどうもありがとうございました。