オペラを観に

オペラを観にザールラント州立劇場に行きました。今日がプレミエの「ラ・ボエーム」(プッチーニ作曲、1896年初演)です。「好きなオペラは何か」と聞かれたときに、この作品を上げる人が多い、もしくは人気上位に必ず入ると思われるほどに人気のある作品です。この劇場でも随分早くからプレミエ公演は完売になっていました。それだけ期待も大きいと思われます。天気は時々雨が降っていたので、外で待つ人も少なく、劇場前はひっそりとしていたのですが、中に入ると正装でシャンパンを飲んでいる人が多く、プレミエ公演独特の雰囲気がありました。

個人的には大満足な公演でした。といっても完璧ではありません。野球にたとえるならば、攻撃では毎回しっかりとヒットを打って点を取っているにもかかわらず、守備ではエラーや押し出しがあるといった内容です。しかし最後の最後で逆転サヨナラ満塁ホームランといった感じで、それまでのミスなども忘れてしまうような盛り上がりがありました。まさしくオペラは生き物といった印象です。

座席の場所や、体調、他の観客の雰囲気、天候、そして演奏者の調子等、様々な条件があるので、同じ公演でも人それぞれ感想が違っていますし、また同じ出演者でも同じような公演になるとは限りません。それを意識すると、別の日は今回とは違った雰囲気を楽しめるかもしれません。これは久しぶりに何度も観たくなる演目なので、何度か観てみたいと思います。