引っ越しの見積もり

引っ越しの見積もりを業者の方にお願いしました。
どの部屋に何が幾つあるか、戸棚や箱の中身は何か等を調べて
各部屋にいくつ段ボールが必要かなどを計算していきます。
何階から何階に移るか、トラックでの移動時間なども計算に入れて
何時間かかって費用はどれくらいという見積もりが出ました。
見積もりを担当した方が言うには、予め自分で幾つか持って行けば
その分早く済み、料金も安くなると言うこと。
特に本について言われました。
私の仕事部屋には大きな本棚が6つ、小さな本棚が4つあります。
それらの本を引っ越し当日までに持って行ければ、
当日は早く済むでしょう、ということでした。
なので自分で本を持って行くことにしました。
これから毎日何度も往復です。
次の写真はその仕事部屋を写した一枚です。

「時が経つのも忘れるほどに」

この写真は「時が経つのも忘れるほどに」というタイトルで
今年の夏、オリンパス・ギャラリー東京並びに大阪で開催された

フォトパス写真展で展示されていた一枚です。
(時が経つのも忘れるほどに)本が好きということを意図しました。
多くの本に囲まれていることで物理的に、
そして窓から差す光で時間の経過を表しました。
空間と時間を立体的に表現したつもりです。

コンサートへ行く

私が住むドイツ・ザールブリュッケンには二つのプロ・オーケストラがあります。
ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団とザールラント州立劇場の州立オーケストラ。
私はクラシック音楽やオペラが好きで時々劇場やホールに足を運びます。
ザールブリュッケンでは特にザールラント州立劇場を訪れます。
そのザールラント州立劇場の2010/2011年シーズンが9月5日(日)に初日を迎えました。

コンサート

この日は州立オーケストラによるシンフォニー・コンサートで
会場は市内にあるコングレスハレ。
プログラムはモーツァルト「ピアノ協奏曲第24番」(1786年作曲)と
マーラー「交響曲第5番」(1902年作曲)。
ピアノはフランス人ピアニスト、アンヌ・ケフェレックで
指揮はザールラント州立劇場音楽総監督トシユキ・カミオカ(上岡敏之氏)
となっています。
やはり生演奏は緊張感や臨場感があって独特の雰囲気があります。
生演奏の音楽を楽しむだけでなくコンサート会場独特の雰囲気も
会場を訪れる楽しみの一つかもしれません。
そして会場を何度も訪れることがあります。
例えばオペラでも好きな演目なら、同じ出演者でも何度も通います。
同じ出演者であっても、やはり人間が作るもの、毎回同じようになるとは限りません。
観客も違っています。一公演一公演それぞれが一期一会的なものかもしれません。
話はずれますがそれは写真撮影にも当てはまることだと思います。
同じ場所に翌日同じ時間に行っても、天候やその場の状況などによって
その前と同じ写真は撮れないことから、写真も一期一会と言えると思います。
写真でもコンサートでも毎回違っている、その違いが面白いと思います。
それ故その場所には何度も足を運ぶことになります。

コンサート

コンサートは翌月曜日にも同じプログラムで演奏されました。
私は当初、日曜日だけ聴く予定でしたが、思った以上に面白いコンサートだったので
月曜日も会場を訪れました。日曜日は9割、月曜日は完売に近い状態でした。
両日ともカーテンコールはものすごく盛り上がり、
観客の拍手がいつしか早い手拍子になりました。
文字通り観客が一つとなった拍手、それは数分間続きました。
日曜日、コンサートが始まる前の気温は14度と少し肌寒い一日でしたが
その寒さも吹き飛ぶような熱気がコンサート会場を包み込んでいました。
その場の雰囲気は何とも言えないものがあります。
これも生演奏独特の雰囲気の一つではないでしょうか。
こういったコンサートを聴いていると色々な世界が思い浮かび、
非常に良い刺激があります。
そして終わった後、友人知人たちと色々感想を話すのも楽しい時間です。
色々な人の色々な感想を聞くと、様々な視点があることに気付かされます。
何かを発見できること、それもコンサートを訪れる一つの楽しみかもしれません。

コンサート

家が見つかりました!

窓からの景色

家探しを始める

家を見に行く の続きです。
条件を改め直して家探しを再開しました。
ネットなどで古い情報も探してみて、実際その場所を見に行ったりしました。
既に人が入っているなら窓の外から何か物が置かれているのが見えたり、
夜だと電気が点いているので分かります。
しかしどこも既に決まっているようでした。
改めて条件を見直しましたが、その条件で検索すると
ほとんど見つからないという状況になりました。
ただそのなかで一軒、今の家から直ぐ近くで条件的に合った物件があったので
連絡することにしました。不動産屋が出している物件です。
連絡すると見学の日取りが決められたので、その日に部屋を見に行きました。
前回「

家を見に行く」で書いたアルトバウと呼ばれる建物です。
不動産屋の話では全部で4組見に来ると言うことでした。
私が行った時は前の人が見終わったばかりで
非常に気に入ったということです。ただ彼の家族がアメリカにいて
そちらにも伺ってみると言うことでした。
その部屋に関して、ネットに写真が貼られてあったので、
ある程度の感じは分かっていました。
その部屋は不動産屋にとって気合いの入った物件だったようです。
というのは、普通は物件紹介の写真が4枚から8枚ほどで
中には一枚も載っていないことがあります。
しかしこの部屋に関しては20枚以上載せられていました。
この壁の分厚さに驚きました。
長さにして扉の半分以上の長さがあります。

家探し

全ての部屋を見せていただき、とりあえず家に戻り、
その後、見取り図などを書いて家具の配置など考えました。
しかしそれ以前に、この物件は、家を探す前に挙げた希望する幾つかの点、
そのほとんどを満たしていました。
翌日、不動産屋に連絡を入れました。
そして不動産屋を訪れ、書類に色々と記載します。
不動産屋はそれを所有者に送り、所有者は送られてきた書類の中から
次の住民を選びます。
その家に縁があれば決まるでしょうし、縁がなければ決まらない、
そんな気持ちで家に帰りました。
後日連絡がありました。決まったということです。
どうやら運と縁があったようです。
直ぐに契約などの手続きが始まりました。
8月の月末の話です。

家を見に行く

窓からの景色

家探しを始める の続きです。
知人からも紹介していただきました。
場所も今住んでいるところから直ぐ近く、広さも今とほぼ同じで
全く問題ありません。
連絡を取ってその部屋を見せていただくことになりました。
8月末の話です。
ところでドイツ、特に旧西ドイツにある街の旧市街地に新築はほとんどありません。
ドイツでは景観を守るために昔に建てられたものの壁を塗り直したり、
床を張り替えたりして長年使っています。
今現在、私が住んでいるところも改築されるということですが、おそらく外壁などは
そのまま昔のものを使うと思われます。
一般的に新築を探すのなら郊外に行かなければなりません。
街が外に拡がっているところでは新築も多く見つかります。
ですが街中では新築はほとんどなく、改装したかどうかで判断します。
ドイツにはアルトバウAltbauという単語とノイバウNeubauという単語があります。
直訳すれば前者が古い建築、後者が新しい建築という意味で
その境目は1949年12月31日までに建てられたものを
一般的にアルトバウと呼びます。
ドイツの街中では、そのアルトバウが人気があります。
古い建物は歴史があります。そして現代の建築に比べて
天井も高いところが多く、壁も分厚いところが多いです。
もちろんアルトバウといっても様々あります。
綺麗に手入れされ、新築のように見えるところ、
逆にほとんど手入れされず、外壁が壊れるままになっているようなところなど。
今回見せていただいた家はそのアルトバウと呼ばれる建物です。
これから一ヶ月くらいかけて改修工事をするということで
床や壁も汚いままです。今後、壁も白く塗り直されます。

家探し

右列上から2枚目、非常に汚い場所ですが、台所がある場所です。
ドイツでは台所を新しい家に持って行くことが多く、
台所は一つの家具と同じように扱われています。
この汚さも改修工事で綺麗になるはずです。
廊下入り口上部が曲線を描いているなど、少し可愛さがある部屋かもしれません。
とりあえず全ての部屋を見せていただき、返事は数日後にすることにしました。
100パーセント満足ではありませんが、大きな不満もなかったので
心の中ではほぼ決まっている状態でした。
全て新しく改修されるということで、新しい部屋の状態で入ることが出来ます。
家の広さも今と同じくらいなので、全く問題ありません。
家に帰ってから大体の見取り図を書いて、何処にどの家具を置くかなど
頭の中で色々考えてみました。
すると、今持っている家具がいくつか入りません。
部屋の数は今住んでいるところより多くなりますが、
家全体の大きさは同じなので、その分、一部屋一部屋は小さくなります。
新しい家のために家具を小さくして、幾つか買い直さなければらないことが分かりました。
それでは引っ越しの意味がないような気がしたので、結局断りを入れました。
場所も良いところなので、直ぐに新しい住民が見つかるでしょう。
家具が入らないこと、それに気付いて、家探しの軌道修正をしました。
家全体の広さもそうですが各部屋の大きさも問題になってきます。
そこでもう一度色々なところで探してみることにしました。

家探しを始める

窓からの景色 の続きです。
日本からドイツに帰ってきた8月中旬より家(部屋)探しを始めました。
帰ってきた時点で隣や下の家は既に引っ越ししていました。
今現在住んでいる家に特に不満があるわけではないので
探すなら今以上のところが良いと思うのが普通だと思います。
そして引っ越しは12月末まで期間がありますが、可能なら早い内に
済ませたいと考えました。今、9月は午後8時頃まで外は明かるいですが、
冬時間になると午後4時には暗くなってきます。引っ越し作業の効率を考えると
夏時間にする方が良いと思います。
家探しには幾つかの方法があります。
新聞やネットで探したり、友人知人の口コミ、不動産屋を訪れるなどです。
新しい家の条件を幾つか挙げて探し始めました。
新聞にはこのように載っています。ほとんど省略して記載されています。
その言葉の意味も知る必要があります。

家探し

条件に合うところを何軒か探して電話をかけましたが
既に次の住民が決まっていました。新聞に載った時点で
決まっていることはよくあります。
それ以外にも電話しましたが、詳しく伺うと条件があいませんでした。
ネットでも探しました。こちらも新聞と同じ状況です。
既に新しい人が決まっているといった返事ばかりでした。
今回の引っ越しは不動産屋が所有する建物の方に問題があるので
当然家探しも協力してくれます。
持っている物件も一軒見せていただきました。
今住んでいる家の直ぐ近くです。
現在改装中で、今後綺麗になると言うことでしたが
家と言うよりはお店を改装したといった感じだったので断りました。
おそらく以前はお店かお店の倉庫、事務所として使われていたのでしょう。
ギャラリーなどとして使うには良い場所かもしれません。

家探し

窓からの景色

私の仕事部屋にはそれほど大きくない窓が付いています。
夕暮れ時には綺麗な茜色を見ることが出来ます。

窓から見る景色

個人的にここから見える大きな空が好きで
一年間ほどほぼ毎日、特に夕暮れの写真を撮っていました。
遠くに見える教会も良い雰囲気を作り出しています。
私が住むドイツ・ザールブリュッケンのほぼ街中に住んでいますが
遠くを見れば山が見えるのどかな場所になっています。

窓から見る景色

夕暮れ時に浮かぶ教会の塔のシルエットは非常に印象的な光景です。

窓から見る景色

季節によっては太陽の沈む方向も違っています。

窓から見る景色

私の住む建物の前が少し開けているので、そういった風景を楽しむことが出来ましたが
そこにホテルが建設されることになりました。

窓から見る景色

それによって少し殺風景な景色となってしまいました。
教会も塔の上部だけが僅かに見えているだけです。
友人などにも教会のある風景が見えなくなって残念だ、ということを話していると
引っ越しする?という冗談が返ってきます。
景色が変わるから引っ越しするというのは考えられないことですが、
突然、引っ越ししなければならなくなりました。
というのは、私が住んでいる建物とその横など合計4棟は同じ不動産屋所有でしたが
それが他の不動産屋に売却されることになりました。普通はそのまま住んでいても
全く問題ないのですが、新しい不動産屋はここを改築するということになりました。
確かに老朽化が進んでいます。私が住んでいる建物はそうではないのですが
別の建物は外から見ても明らかに分かります。
なので12月末までに引っ越しして欲しいと元の不動産屋から連絡がありました。
引っ越し費用等はその不動産屋持ちです。
そう連絡があったのは今年の夏、一時帰国する数日前でした。

エッシュ村へ 最後に

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ 3

エッシュ村へ 4 の続きです。
ルクセンブルクのエッシュ・シュル・シュールへの撮影旅行は楽しい時間でした。
次回の個展で使えそうな写真も撮れたので個人的には大満足です。
ところでこの日は友人たちと一緒に撮影しましたが、
4人全員がカメラを持っていました。そうなると風景だけでなくお互いを撮ることも多かったです。
例えばAがBを撮り、BがAを撮る。AとBが撮りあっているところをCが撮り、
さらにその光景をDが撮る。そんなこともありました。
あとで全員が撮った写真を見比べてみると、上のような光景が何枚もありました。
写真それぞれは平面的ですが、それぞれのカメラの目線をあわせると、
非常に立体的な印象となりました。
そういったことも含めて非常に楽しい旅でした。
友人には本当に感謝です。
ズームレンズは便利なだけでなく色々と遊べるので楽しいです。

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

おーい!

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

エッシュ・シュル・シュール

これでエッシュ・シュル・シュールへの撮影日記は終わりです。
ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。

エッシュ村へ 4

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ 3 の続きです。
砦のある丘を降りて街中を散策しました。
麓にある教会のステンドグラスには、マリア像とこの街の風景が描かれています。
そういったところからも街のマリア信仰が伺えます。

エッシュ・シュル・シュール

家々の玄関や窓も綺麗な花で飾られています。

エッシュ・シュル・シュール

古びた自転車も花で飾られており、古さを利用した街並みと言えるかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

ところで街中を散策していると、前を歩いている金髪の女性、小さな犬を連れていましたが
通りのポストのようなところから何かを取り出しています。
その場所を通り過ぎる時にそれに目を向けると
それは犬用のゴミ袋でした。こういったものが街中に設置されていること、
それだけ環境や景観などへの意識が高いのかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

レストランの壁に長い影が伸びています。
そろそろエッシュ・シュル・シュールを後にすることにしました。

エッシュ・シュル・シュール

その後、街を一望出来るような場所を求めて移動しました。
カーナビにそれらしき場所があるのが分かります。
途中で少し迷子になりましたが、その時、別の風景を見ることが出来ました。
長くなりそうなので「続き」で、どうぞ。

続きを読む

エッシュ村へ 3

エッシュ村へ 、

エッシュ村へ 2 の続きです。
円柱の塔を見た後、一度街に降りてから反対側の砦に登りました。
調べてみると中世、927年頃に建設されたようです。
エッシュ・シュル・シュールの街そのものの歴史も古く、
773年には歴史に登場しているとあります。

エッシュ・シュル・シュール

砦の入り口までやってきました。
今も残る城門には紋章が付いています。
この砦が現役だった頃は、多くの人がこの門をくぐったことでしょう。
その際、この紋章は彼らの誇りであったかもしれません。
そういったことを考えながら砦跡を歩きました。

エッシュ・シュル・シュール

小高い丘の上に立つ砦の跡は思った以上に大きな遺跡です。

エッシュ・シュル・シュール

その中に教会がありました。中には入れませんでしたが、
ここで多くの人が祈ったことを意識すると、目には見えない時の流れや
言葉では簡単に説明できない感情がわき起こってきます。

エッシュ・シュル・シュール

城壁をよく見ると単に石を積んだだけのようにも見えます。
1000年以上前のものが目の前にあるのは、何処か不思議な感覚を覚えます。
現在の視点で見るとそこは過去の遺跡でしかありませんが、
当時はここを多くの人が歩いたのでしょうか。
ここには、目に見えない、人々の様々な感情があるような気がしました。

エッシュ・シュル・シュール

空を見上げるとそれまで空を覆っていた灰色の雲は姿を消し、
澄んだ青空が拡がっています。

エッシュ・シュル・シュール

歴史ある砦を後にして、丘を降りて街に戻ることにしました。

エッシュ村へ 2

エッシュ村へ の続きです。
美味しい食事の後、街中を散策することにしました。
小さな村なので一周するのに時間もかからないようです。
まず昼食を食べたレストランの横にある、山へ登る階段、
そこを登ってみることにしました。
この日は望遠レンズ、広角レンズも持って行きましたが
使ったのは標準ズームレンズ一本だけでした。
35mm判換算で28-108mmのレンズです。
暫く階段を登って振り返るとエッシュ・シュル・シュールの街並みが見えました。
午前中に雨が降ったようなので少し落ち着いた、しっとりとした風景となっています。

エッシュ・シュル・シュール

更に登っていくとマリア像が山の上に立っているのが見えます。
この街の守護神であり、街のシンボルにもなっているようです。
写真は別の角度から階段とマリア像を撮ったもの。

エッシュ・シュル・シュール

階段を登り切ったところ、マリア像の後方は少し開けた場所になっており、
ここからは登るのもそれほど苦ではありません。

エッシュ・シュル・シュール

マリア像の直ぐ側まで来ました。

エッシュ・シュル・シュール

マリア像が立つ台座の下には燭台があります。
そこを見ると単にシンボルや装飾的なマリア像ではなくて、
信仰の対象になっているのが分かります。
普段からここを参っている街の人がいるのかもしれません。

エッシュ・シュル・シュール

その側からエッシュ・シュル・シュールの街並みが見えました。

エッシュ・シュル・シュール

そしてその側に円柱の塔がありました。
長くなりそうなのでここからは「続き」で、どうぞ。

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