街角の大道芸人

クリスマスマルクトが開催されている広場の片隅に
一人の大道芸人がいました。
一見すると、普段は人形のように止まっていて
彼の前にある箱に小銭を入れるとロボットのように動く、
そういったものかと思いましたが
彼はただその格好で通り過ぎてゆく人たちに
挨拶をしているだけのような感じでした。
ロボット的な動きではなく、普通に立っている人です。
しかも立っている場所が通りからすると死角になっている場所で
多くの人は彼に気が付いていません。
彼も通り過ぎる人に手を出して握手のような挨拶をしようとしているのですが
誰も気づかず、彼も寂しそうに出した手を下ろしています。

大道芸人

大道芸人

大道芸人

彼の格好はクリスマスマルクトの中では
あまり目立たないものだったのかもしれません。
暫く様子を見ていましたが彼の方を意識する人は少ないようで、
多くの人はその直ぐ近くにあるクリスマス飾りの屋台に
目を奪われているように見えます。

大道芸人

大道芸人

すると小さな子供が近づいてきました。
人形的な彼は無意識に手を振ったのかもしれません。
その振られた手に対して子供が寄ってきて
その手に触れました。
白い手を見て不思議がる小さな子供の顔と
人形の人の笑顔が印象的な午後でした。