のんびりとした空気

日本からドイツの田舎ザールブリュッケンに帰ってきて直ぐに感じたことは
時間の流れ方が日本とは違うと言うことでした。
ザールブリュッケンでは非常にのんびりとしたものを感じました。
そういえば日本から帰ってきたとき、駅から家のそばまでタクシーに乗りましたが、
運転手に行き先を告げてもその場所が分からないと言われました。
聞けば、タクシードライバーになってまだ4日目ということ。
今まで行ったところは、何処かのバス停と何処と何処だけと、陽気に話してくれました。
街中を歩く人も歩く速度がゆっくりしており、
手をつないで歩いている人は何故か非常に微笑ましく見えます。
この落ち着いた雰囲気がドイツらしいものかもしれません。
カメラ屋にも行きましたが、他に客は誰もいなくて
日本のような客の熱いまなざしが全くありませんでした。
時間の流れがゆっくりとしていること、
日本に比べると驚くほど時代遅れ的なこともあって、見方を変えれば
他の国や他の地域との競争力でも随分後ろを走っているような気がします。
良くも悪くもその時間の流れ方がこの場所ならではのものかもしれません。
他との競争がない、言ってみればそれだけ独自性があり、
それが伝統というものになっているのかもしれません。

森の中のレストラン

ドイツに帰ってきた翌日、友人たちと、とあるレストランに行きました。
森の中にあるお店はひっそりとして、また気温も20度以下だったので
ビールを飲む人よりもコーヒーを飲んでいる人が多かったです。
お店では音楽がかかっているわけでもなく、聞こえてくるのは
周りの人の会話と小鳥のさえずりだけ。
田舎ならではののんびりとした独特の空気がありました。

日本での時間

今までドイツから日本への移動の際も、逆にドイツへの移動の際も
時差ぼけというものをあまり体験したことはなかったのですが
今回は出発前日からあまり寝ていなかったせいか時差ぼけがあります。
今年の夏の日本滞在、約一ヶ月でしたが、自分にとって最も大きなイベントは
やはり個展でした。今回の滞在はそのためのものと言っても良いかもしれません。
その個展は色々な方に助けていただき、無事終了出来ました。
そしてその個展を通して色々な方との出会いがありました。
非常に充実した日本滞在だったと言えます。
個展の始まる前は色々な準備で
終わってからも後片付けや事務的なことがあり、
個展そのものは9日間だったにもかかわらず多くの日を費やしました。
良い意味で非常に忙しかった時期でした。
欲を言えば、例えば神社仏閣などを撮影に行けなかったのが
少し心残りでした。
今年訪れたのは東京大神宮だけで、それも撮影目的ではなく
ドイツの家に置いてある神棚の御神札を新しくするためでした。
ここ数年、毎年通っています。

東京大神宮

関西にいるときに滋賀や京都の神社仏閣を訪れたかったのですが、
また次の機会にそれはとっておきたいと思います。
日本滞在といえば、やはり食べ物が美味しいです。
毎回帰国時には数キロ体重が増えています。
特にドイツでは手に入らない、手に入りにくいものを食べたくなります。
ご飯、肉料理、魚料理、甘いもの何でも。
甘いものと言えば、モンブランが好きで、カフェに行くと大抵それを選んでいました。
そういえば

フォトパス夏祭りの後でいただいたのもモンブランでした。

モンブラン

カフェと言えば、毎年帰国時に訪れていたカフェがありましたが
今年は忙しくて一度も行けなかったのが少し残念です。
ここで友人たちと穏やかな午後を過ごすのを楽しみにしていました。

カフェ

またここでは焼きたてバームクーヘンを食べるのが楽しみでした。
ドイツのバウムクーヘン(バームクーヘン)とは少し違っていて柔らかく
ふわっとしているのが特徴です。
残念ながら今年は一度も食べられず。
写真は前年のものです。

バウムクーヘン

それにしても日本のカフェは雰囲気のあるところが多いように感じました。
温もり感のあるお店、涼しそうな清涼感のあるお店など。
そして味だけでなく目でも楽しませてくれるのがいいですね。
これだけでも会話が弾みます。

カフェ

今年の夏は

花火をはじめ、蝉の声や蒸し暑さなど日本らしい夏を楽しむことが出来ました。
日本の夏は独特の風情があって心落ち着くものがありますね。

日本の夏

ドイツへ帰国

約一ヶ月の日本滞在が終わり、ドイツへ帰国しました。

ドイツから日本へ飛ぶときは地元ザールブリュッケンからルクスエアーで
ミュンヘンを経由して、そこからルフトハンザで成田へ飛びました。
移動や乗り継ぎ時間もこれは非常に便利だったのですが、
帰りはその経路でのチケットが取れず、成田からフランクフルトまで飛び、
そこから電車で帰ることになりました。
成田=フランクフルト間と言えば、今年夏前から就航したエアバスA380。
ドイツを行き来する友人知人などの間でも話題に上る飛行機で、
世界初の総2階建てジェット旅客機です。
以前、何かの記事で特に女性の間で人気があるといったものを目にしたことがありましたが、
果たして空港での搭乗ゲート前では多くの女性が写真を撮っていました。
「格好いい!」と大きな声を上げている人たちや
一緒に写ったり記念撮影をしている人も多かったです。
それにしても他の飛行機と比べるとやはり大きさが感じられます。
ちょうどシンガポール航空のA380も止まっていました。
この日は台風の影響で風が強く、異様な空模様でした。

エアバスA380

離陸時間は午前9時台だったのですが、そのために朝4時台に家を出て
5時台のバスに乗り、7時頃に空港に到着しました。
前日の夜は準備で忙しくほとんど寝られなかったので、
飛行機の中では寝ている時間が多かったです。
ところで機内では各座席にモニターがあり映画やドラマを見ることが出来ますが
私は映画一本見ただけで、それ以外、モニターではずっと
フライト情報を映していました。
フライト情報では目的地までの時間や距離、速度などが表示されています。
テキスト的にはこれは従来と同じですが、映像的には
今どの場所を飛んでいるかやコックピットからの映像など(共にCGですが)
見ていて飽きないものがありました。
例えば絶えずコックピットからの映像と、自分で選択できれば
より見応えがあったかもしれません。
そして何より「カメラ景色」というものが新鮮でした。
これは機体の外に取り付けられた3台のカメラがとらえた映像を流しているもので、
真下の映像、真横の映像、上からの映像とありました。
上からの映像とは垂直尾翼に取り付けられているものですが、
この映像からはまるで映画か何かを見ているような臨場感のようなものが感じられました。
特に離陸や着陸の時に、下に街並みや空港が見えるのが興味深い映像でした。

飛行機のモニター

飛行機は遅れることなく無事、フランクフルト国際空港に到着しましたが
税関で1時間半から2時間足止めされ、
空港を出るまで思った以上に時間がかかってしまいました。
その後、フランクフルトからザールブリュッケンまでの電車は満員電車でした。
まずフランクフルト国際空港駅からマンハイムまでドイツの都市間超特急(ICE)で移動し、
マンハイムからザールブリュッケンまではフランスの超特急(TGV)を利用しましたが
夕方の時間帯で満員電車となり、その中で大きなスーツケースを持っての移動は大変でした。
写真はマンハイム駅です。少し雨が降っています。

マンハイム駅

ドイツの気温は約23度と真夏の日本から来ると少し肌寒く感じます。
無事に帰国しましたが、今回の日本滞在は本当に充実した、
また感謝の連続でした。どうもありがとうございました。

漫画家さんの仕事部屋を訪れる

今日は、とある漫画家さんのお仕事部屋を訪れました。
作品が海外でも数カ国語に翻訳されて出ているなどご活躍されています。
部屋には数台のPC(マック)や数多くの資料などが床から天井まで整理され並んでいます。

漫画家さん宅にて

猫さんもいっぱいいます。
食器棚の上の狭いところにいたり、何か物事を考えていたり、
隠れていたり、膝の上でまったりしたりと
可愛くて見ていて飽きないものがあります。

漫画家さん宅にて

この漫画家さん、私と誕生日と血液型が同じで親近感があります。
そしてこういった何かが創り出されていく場所を目にするのは
非常に良い刺激があります。
そういえばここで色々な方の何冊もの写真集を見せていただきました。
色々な作品を観るのは楽しく、同時に勉強になります。
そういったことも含めて非常に楽しい時間でした。
お邪魔しました。
どうもありがとうございました。

関西から関東へ

ドイツへの帰国は成田からなので
関東の方に移動してきました。
カメラ屋をもう一度訪れてみたいです。
ここには多くの刺激があります。
ところで新幹線で京都から東京に向かっている最中に感じたことがありました。
新幹線の車窓からですが、在来線が神社の参道などを横切って走っているのが見えました。
おそらく新幹線も同じように参道を横切って走っているかもしれません。
時代の流れ的なものもあるので、仕方がないと思う面もありますが
同時に一つの精神世界を壊しているようで少し残念な気もしました。
今回の写真展では教会関連の写真が多かったのですが
写真展を訪れてくださった方からよく似た質問を何度か受けました。
ドイツやヨーロッパの宗教的なこと、日本との違いに関してです。
あくまで私の感じたことですが、ドイツ、特にカトリック色の強い南ドイツでは
キリスト像やマリア像などの聖像や聖人の聖遺物が、信仰の中心になっている気がします。
言ってみれば一つの「物」です。
しかし日本では仏像だけでなく、例えばそれを安置するお堂や
またそれを囲む森や山などもどこか信仰的なものが宿っています。
自分が日本人だからそう感じるのかもしれませんが
日本の神社仏閣の方がドイツよりもより精神世界といった印象があります。
ドイツ人も森を大切にしていますが、日本のような信仰的ではないような気がします。
新幹線の車窓からの景色を見て、現代の生活が
そういった精神的な世界を壊しているような感覚を覚えました。
いずれにしても自分でもまだまだ分かっていない部分が多いので
今後も勉強していきたいところですが
写真に関しては、そういった精神的な面も撮れるよう努力したいところです。
そういえば以前ドイツで訪れた、ケルト人の遺跡は
どこか日本のような、精神的な場所のような気もしました。
建物群がなく遺跡だからそのように感じた可能性もありますが
その辺り一帯には神秘的な雰囲気がありました。

ケルトの遺跡

ポスターなど

写真展が終わった後、ポルタさんの方から
個展に使ったポスターを譲り受けました。
よく見てみると大きさは2種類ありました。
地下街ポルタへ降りる階段やレストラン街の場所に大きなものが貼られていたようです。
大きな方は長辺が1メートル以上ある大きなもので、
ここまで大きなものを作って展示して頂いたことに感謝です。
中央右にあるのがA4サイズのチラシです。

写真展の案内

ホテル滞在

2泊3日でホテルに滞在しました。
ホテルでの楽しみと言えばまず大きなお風呂があります。
このホテルは湖に面して大浴場があり、眺めも素晴らしく
非常にゆったりとした気分を味わえました。
そしてホテル滞在時の個人的な楽しみは朝焼けです。
日本国内だけでなく海外でも、日の出の時間をチェックします。
ホテルからの夜明けは、宿泊客だけが楽しめるもので
言ってみれば、宿泊したその日しか撮影することが出来ません。
一日目の朝、新聞によると日の出は午前4時59分となっています。
目覚まし時計はかけていませんでした。目が覚めると5時を少し回っています。
急いで遮光カーテンの向こう側に回ると既に太陽は昇り、
湖面にオレンジ色の道が出来ていました。
中央右に見えるのは近江富士、三上山です。
この角度ではあまり富士らしくないかもしれません。

夜明け

2日目の日の出時刻は午前5時となっています。
この日も目覚まし時計はかけていませんでしたが、
やはり興奮していたのか普段より早く、
午前4時半過ぎに目が覚めました。
しかしカーテンの向こう側には雲が広がっています。
雲と雲の隙間からはオレンジ色の光が漏れていましたが
雲が出ていたのでこの日は日の出を見るのを半ば諦めていました。

夜明け

しかし暫くすると突然明るい光が見えました。
望遠レンズに変えて向こうを覗くと、山の上から丸い太陽が顔を出しています。
どうやら今の時間が日の出のよう。
いつも感じますが日の出の時、太陽の昇る速度は思った以上に早いです。

夜明け

街はまだ眠っています。
赤く染まる空がその静けさをよりいっそう強めている気がします。

夜明け

太陽と雲が作り出す芸術、しばらくの間、その模様を眺めていました。
雲も流れており、一刻一刻とその表情は変化していきます。

夜明け

オレンジ色に染まった空は徐々に明るくなり、いつの間にか夜が明けていました。
ホテル滞在の時はそんな風にしてその部屋から見る夜明けを楽しんでいます。

びわこ大花火大会

ベランダから窓の外を見ると大きな黒い雲が見えました。
空は晴れているものの、その方向では今にも雨が降り出しそうです。
よく見ると雲の中で雷が光っているのが見えます。
時々濃くなる雲、その雲の隙間から漏れる光が街の雰囲気を
少し幻想的なものに変えていました。

空の様子

その後、夕刻時。
オレンジ色に染まる雲の流れを期待しましたが、ほとんど染まりませんでした。
しかし薄暗くなった空に、沈む太陽の光が伸びています。
空の撮影はその日その時間だけのものなので面白いものがあります。

空の様子

8月6日(金)はびわこ大花火大会の日です。
毎年琵琶湖そばにあるマンションの親戚宅に親戚が集まって
そこから花火を見るのが我が家の恒例行事の一つとなっています。
周りに建物があるので目の前というわけにはいきませんが、
少し高い位置からの花火を楽しむことが出来ます。
上の2枚もこのマンションの部屋から撮影しました。
ところでこの集まりには毎年2、3人のゲストが来ています。
今年はブルガリアとドミニカ共和国からの留学生が来ていました。
花火が始まる前に皆で食事をし、花火が始まれば
マンション廊下から花火を見ます。
花火が終われば食事の続きです。
ところでドイツには夏の花火はイベント用のものしかなく、
大抵午後10時45分ごろから15分間といった感じです。
午後10時頃まで空が明るいのでこんな時間になっているようです。
その上、個人で上げる花火は大晦日の前だけ販売が認められ
夏の時期には花火はありません。
しかし夏と言えばやはり花火!
迫力ある音と大きな花火を見られるのは嬉しいものです。
ところでこの日は特に花火の撮影をしようと思っていたわけではありません。
が、やはりカメラを持っていると撮影したくなりました。
といってもこの日持ち歩いていたのは標準ズームレンズのついたオリンパス・ペン。
この機種はリモコンなども使えず、
またこの日は三脚も一脚も持っていなかったので、
細い手すりに指を載せて、その上にカメラを置き撮影しました。
設定を色々試しながらだったので、また一枚撮影後のデータ書き込みにも
少し時間がかかったので、ずっと撮影できたわけではありませんが
撮影は楽しいものがあります。
三脚がないので長時間露光は出来ませんでしたが、
その分、一枚一枚撮る時間は短く、
例えば極端な設定などにして何枚も試せたのも面白かったです。
またピントは本来ならば無限遠付近だと思いますが、
立体感を出せればと思い絞り開放付近で撮影しましたが
ピンぼけが多く難しかったです。
この機種はデジタル水準器があるので、
それを見ながら台にした指の高さや角度を変えて撮影しました。
小さく軽いカメラだったので指への負担も少なかったと思います。

花火

花火

花火

花火

花火

花火は私がいた場所から見ると大きく分けて2カ所で上がっていました。
花火の大きさが分からないので、左側の方だけを主に撮っていました。
花火大会の最後は左右2カ所から同時に盛大に花火が上がったので
横位置にして16:9で撮影しました。
少しぶれてしまいましたが、個人的にはそれでも満足です。
大きな花火を初めて体験したという留学生の方たちも喜んでおられて
楽しい花火の夜となりました。

花火

撮影に行く

写真展にご来場いただいた方から撮影の依頼を受け、大阪へ向かいました。
個展期間中のその日の時間が終わったときに大体の雰囲気や場所などを相談しました。
撮影は屋外を予定していたので午前8時半頃から始めましたが
それでも暑くて、結局外での撮影は諦めました。
撮影と撮影の間、休憩中のオフショットや本番ではおそらく使われないと思われる
写真を、横顔だけ集めてみました。正面を向いたものなどは時期が来たときに
公開できればと思います。
ピントの甘い写真もありますが、この中ではそれが個人的に最も気に入っています。
左下で写ってしまっているものはレフ板です。

撮影

人物の撮影は光と表情があるので難しく同時に面白いです。
何よりモデルの方とコミュニケーションしながら何かを作っていくのが楽しいです。
暑い中、本当にお疲れ様でした。
そしてどうもありがとうございました。

写真展終了の翌日

昨日、写真展が終わりました。
あっと言う間に終わったという感じです。
皆様からいただいたお手紙やメールも嬉しかったです。
どうもありがとうございました。
今日は所用でポルタに出かけました。
久しぶりにジーンズを履いて外出しました。
個展期間中は毎日スーツを着ていました(上を着ていない日もありましたが)。
会場に足を運んでくださる方々に対してはもちろんのこと、
作品に対しても失礼のないように意識しました。
また開催中、私は基本はずっとギャラリーにいて外の様子が分からなかったのですが
日中は本当に暑いです。直ぐに汗もかきます。
そんな暑い中、会場に足を運んでくださったと思うと、
改めて感謝の気持ちがわき起こります。
本当にどうもありがとうございました。