午後、友人と車に乗って出かけました。
雨が降る一日でしたが天気予報で雨雲が途切れている西に向かって当てもなく出発しました。
友人と出かけるときは目的を決めずに出ることが多いです。
ザールルイ近郊を走っているとき、「マリア礼拝堂」という案内表示を見つけました。
引き返して、その案内が示す方向に走っていきます。
車一台が通れる幅の舗装された道を走りました。
小高い丘を登っていきます。正面には森が見えます。
辺りには牧場が見えるだけで他に施設らしいものは何もありません。
そんな中で突然、人工物が目に飛び込んできました。
フェンスで囲まれているので建物そのものには近づけませんが
全体が土の中にあり、入り口しかない建造物でコンクリート製のものです。
そういったものは旧ドイツ軍のブンカー、防御施設のことが多いです。
ザールブリュッケンやその周辺にも幾つも残っています。
ここは立派なファサードが付いています。
入り口上部には建設年が書かれていますが「1930」とあります。
1930年はまだ第三帝国前、かの総統も首相にもなっていません。
全体像を見ると煙突が見えるだけです。
この先はフランスなので対フランスを意識して作られたものかもしれません。
しかしこのファサードを見ると実用的なものではないのかもしれません。
なぜこのような場所に、1930年にこのようなものが作られたのか謎です。
もしかすると軍事施設でもないのかもしれません。
フランス方面側から見ると煙突とファサードの一部が見えるだけですが
もっと草が伸びていたり、木が植わっていれば
人工物の存在には気が付かないかもしれません。
排水用の溝。柵がなければ人は通れるかもしれません。
最初の方の写真でも分かりますが電線も近くを通っています。
結局、この施設が何なのかは周りを見ても分かりませんでしたが
色々と想像したり考えたりするのは楽しいですね。
そしてそこからそう遠くないところにマリア礼拝堂がありました。
1949年に建設されたようで、第二次世界大戦で生き残れたことに感謝して、とありました。
その直ぐ側に大きな木が一本ありましたが
その昔はこの木も信仰の対象だったのかもしれません。
ところでこのマリア礼拝堂がなぜここに立てられたのかも分かりません。
色々と謎多き場所でしたが、ドイツとフランスとの国境に位置する場所なので
今は何もなくても、色々とあった場所なのかもしれません。
そういったことを想像するのは楽しい時間ですね。