一晩明けると凍ったザール川も

前日まで氷点下の日が続いていたのに急に暖かくなりました。

前回の記事で書いた凍ったザール川も今はその面影もありません。
暖かく日差しも強いので、季節が変わってしまったようにも感じます。

ザール川

橋の反対側からザール川を見ると
こちらにも氷は見られません。
ところでザールは赤土の地方なのでザール川の水も普段は茶色系の
濁った色合いをしています。
ここまで緑系のザール川は随分と久しぶりに見た気がします。
それだけ溶けた氷が水になって流れているのでしょうか。
そういえば前回の冬は雪解けでザール川も増水し、
川の横まで浸水していましたが
今回はそれほど水位も増えていないようです。

ザール川

ザール川沿いです。
こういった影を見るとモノクロで撮りたくなります。
この日はお昼に突然予定が空いて
時間が出来たので少しだけ街を回ってみました。
レンズは前回の記事と同じくデジタル用のレンズ一本です。

ザール川沿い

これまでモノクロで撮影するときはこの一本!と決めたレンズがありましたが
それはどちらかと言えば柔らかい描写があります。
しかし今回のレンズは逆に硬さがあります。
描写が違えばそれだけ表現の幅も増えるかもしれません。
暖かくなったにもかかわらず、オープンカフェは僅かです。

ザールブリュッケン

やはりこのレンズでのモノクロ撮影は楽しさがあります。
カメラのモノトーン設定でも単純に彩度を落としただけという感じではありません。
ただそれがカメラの設定によるものか、
例えばセンサーや画像処理エンジンによるものなのか
またはレンズよるものかは
調べたわけではないので正確なところは分かりませんが
いずれにしてもこのカメラとレンズの組み合わせは良いと思いました。

ザールブリュッケン

特にモノクロで撮影したときに、厚みのある黒色を出してくれるのが良いと思いました。
単純に彩度を落としただけでは、
黒と言っても灰色に近い色で軽い色合いのような気がします。
そして普通は現像時に例えばノイズを載せるなど様々な作業をしますが、
このレンズではそういった作業によって出来る絵とは違うものの
好みの色合いを作ってくれるので、PCで見たときの喜びも大きいです。

ザールブリュッケン

ここで信号待ちをしたときに、ここから先はカラーで撮影することにして
設定を変更しました。単純にカラーにモードを変えただけです。

ザールブリュッケン

これもPCで見たときに驚いた一枚です。
最近は柔らかさのあるオールドレンズを中心に使っていましたが
このレンズは絞り開放でも結構シャープに写ってくれます。
木の枝にパープルも出ていますが
それでも建物の色合いなどは思ったものが出ていると思います。

市庁舎

ところでこの建物は市庁舎ですが
その前には何か仮装パーティーのような格好をしている人が多くいました。
もしかすると結婚式なのかもしれません。
ドイツでは役所婚が多く、その間他のゲストは外で待っています。

市庁舎

このデジタル用のレンズは昨年夏に日本で購入しました。
その時もヌケが良く、綺麗に写るレンズだと思いましたが
その日本の夏のイメージがそのままレンズのイメージになっていました。
というのは夏から秋にかけてのドイツでこのレンズを使うと
上手く説明できませんが光が硬いと言った印象があり
持ち歩きはするもののそれは広角レンズの代わりと言った感じでした。
しかしヨーロッパの冬ではそこにある空気を上手く写してくれると思いました。
実際に目で見る風景はモノクロではありませんが
特にモノクロでは見たままの雰囲気を写してくれるような気がします。
写真は壁に設置された立体的に見えるアートです。

ザールブリュッケン

レンズの新しい一面を知った感がありますが、
それは新しいレンズを一本手に入れた感覚に近いものがあります。
言い換えればそれだけこのレンズを使っていなかったのだと思いますが
これからは積極的に使っていきたいと思います。
とにかく撮影が楽しいです。